愛の手
ヤクザ屋敷――…
ううん、浅葱組に引きとられてから、はやくも一週間が経とうとしていた。
両親も、財産も、家も、全てを失ったあたし。
それを奪ったはずの浅葱組から与えられたのは……
――…あたしの部屋と、高校の学費、そしてなに不自由ない生活。
不自由なのは、あたしの心。
この身を売ったときに押し殺した心は、一生自由になることはないだろう。
あたしは誰も信じない。
そして…
必ず生きるんだ。
メニュー