愛の手
「その二つついてる目は節穴か?」
「え…っ、生活出来る程度には視力ありますけど」
「んなこたわかってる。――…いつものベンツじゃねぇんだ。助手席乗れ」
よく見ると、フェラーリは二人乗り。
助手席って……近くないデスか?
それにあたし、助手席って乗ったことナイんだけど……
「は、や、く、乗れ」
「は、はは、はいっ!!」
あたしの行動は調教されることなく、すでに総司さんによって左右されていた。
助手席に乗ると、総司さんはいきおいよく運転し始めた。
こ、怖い……