愛の手
質問に答えることなく、総司さんは停車させた。
着いたところは――…
「うわぁ、海だぁーっ!!」
目の前に広がるのは、大きな海。
青くて、天気がイイおかげか、太陽を反射してキラキラと輝いている。
夏の季節はバイトとかで忙しくて、近よることすらなかった海。
海大好きなあたしとしては、じっとしてられないくらいうずうずする。
「いっていいぞ」
「え、イイんですか!?」
思ってなかった台詞に驚いた。
それ以上に海へ興味がいってたあたしは、飛び出すようにフェラーリを出た。