愛の手

制服を全て脱ぐと、あたしは鏡を見た。

傷が全てカサブタとなり、水に触れることは可能となった体。

それでも女の体にしては傷だらけで……




――…汚い。




そっと鏡に触れる。

この傷が癒えるのは、いつなんだろう。

傷跡も残っちゃうんだろうな。


ゾクッ



見るたびに思い出す、あのときの恐怖。

傷が癒えたとしても、あたしの心が癒えることはないのかもしれない。



両親のためにも、あたしは忘れない。

この恐怖を覚えて闘うの。



だから優しくしないで。

あたしを人として扱わないで。



あたしは買われた、人形なんだから――…

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