戦国桜話

心配の温かさ





―――戦国には行くな




おじいちゃんの言葉が私の頭の中をぐるぐる回る


『分かってるよ・・・そんなの・・・』


私はそう呟いてクローゼットに視線を移した


私が戦国の世界に行ったって、何かが変わる訳じゃない


お母さんが自らの命と引き換えに封印した鏡道が今になって復活したって


私に再び封印する力なんて無いんだから・・・


昔から私には不思議な力があるって言われても


巫女だったお母さんに及ぶ様な凄い力なんて物・・・




“ある訳ない”




戦国の世界には恐ろしい妖怪が、うじゃうじゃ居る・・・




――行ったら命が危ない・・・




私は深くため息を漏らして机に置いたままであったケータイを持ってベッドに横になった


私には全て関係の無い事・・・・・・


そう言って解決してもいいのに・・・それが出来ないのは・・・・・・


『小春ちゃん・・・』


私にとって小春ちゃんの存在が大きかったから









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