ようこそ! 魔破街へ
大きな荷物は先に送って、オレは手荷物だけを持って父に街まで連れて行かれた。

山の中に入り一時間。そして長い洞窟を通ると、高い岩の壁の前に出た。

それこそ10メートル以上はある壁の向こうが、目的地のようだった。

…壁には木の扉があり、扉の上のサビだらけのプレートには『魔破街へようこそ!』と書かれていたからだ。

「サマナ、ここからはお前一人で行きなさい」

表情一つ変えず、父は言った。

「良いケド…。街に入ったら、どこ行けば良いの?」

「ムメイという男に会え。学校に行けば分かる」

「学校って…」

「街の中心にある。行けば分かる。それじゃ、私は行く」

言いたいことだけ言って、父はとっとと車で帰ってしまった。
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