ようこそ! 魔破街へ

女子寮

ロビーの奥に進み、右手側に食堂はあった。

食堂…と言うよりはレストランだ。本当に贅を尽くされている。

コレもやっぱり、犯罪の抑止力になっているのか?

「…シュリさん、ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど」

「ん? 何だ? あっ、ちなみに私もイザヨイも『さん』付けはいらん」

「じゃあ…シュリ。あのこの街って贅沢できるみたいですけど、それってやっぱり抑止力にする為なんですか?」

「ん~、そうだなぁ」

シュリは頭をぼりぼりと掻いた後、口を開く。

「人間、貧しければ欲する欲が出るだろう? 特に三大欲求は」

「ええ、一般的にもそうですね」

食欲・睡眠・性欲は人間としてあって当然のもの。

欠ければ満たされたいという欲が出て当たり前のことだ。

「この街の住人達はどうしたって欲が強い。それを緩和する為だとも言えるが…」

そこでふと、シュリは意味ありげに微笑む。

「退屈は人を殺す―と言う言葉を知っているか? カルマ」

「えっええ、まあ…」
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