Short Lovers

‥‥



◆◆◆


何、してんだろう。



タイスケ君の傷ついたみたいな顔に、わたしまで傷ついた。

やっぱりタイスケ君は
ぶきっちょさんで。


あれから二人の会話はよく聞こえなかったけど、廊下に一人残ってたタイスケ君の背中が

どうしようもなく
切なくて。


思わずかけ寄ったわたしを、タイスケ君はまたもあっさりと、拒絶した。



……でもそれでよかった。

あのままならわたし、タイスケ君を抱きしめかねなかった。


タイスケ君といるとわたし、
どこまでも男前になっちゃう。



気がつけばわたしは、あの可愛らしい女の子を追いかけてきていた。

追いつこうと思えばできたけど最後までそれはできなかった。

なんとなくきまづくて。
いまひとつ勇気が足りなくて。



結局。

わたしは彼女の入っていった
教室の前にたっている。

< 61 / 99 >

この作品をシェア

pagetop