となりの席の上田くん。



「気のせい?」


私の台詞をおうむ返しする舜に
コクコクと…いや、むしろ
ブンブンと首を縦に振る。


なのに………




「なんで近づいてくるの!!」

「なんで逃げるの。」

「近い!」

「そ?」


トン、と背中に壁があたり、
逃げ場をなくすと
あっという間に差を詰められて
その距離15センチほど。



「俺は、もっと近くても
いいと思うけどね。」


「な、ちょ…!」


これ以上近くって………!


カッと一瞬で顔が熱くなる。



ふと鼻と鼻が掠め、


「奈子。」



彼が初めて私の名前を呼んだ。



こんな時に名前を呼ぶなんて
なんて卑怯なんだろう。



そして、唇に吐息がかかるのを
感じた瞬間――――




きゅるるるるっ



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