粉雪-3年後のクリスマス-
こんなとき、なんて言葉をかけていいかわからない。
俺は散々励ましてもらったというのに、いざというときに、何もできない。
「……なんか、悪いな」
ただただ、無力さだけが残る。
あまり同期を逆なでするのも悪いし、長居する前に席を立った。
ミスはあってはいけないけれど、誰でも起こりうるもの。
そうやって割り切ってはいるものの、どうにも悔しさが残るんだよな。
オフィスをでて、近くの牛丼屋へ向かうことを決め空を見上げた。
寒い冬だというのにやけに青く広がる光景は、とてもちっぽけな存在だといわれてる気がする。
「並、でいいか」
財布事情もあるし、と言い訳をつけて足を踏み出したときだ。
ブルル、とスーツの中で携帯が震える。
その時間帯にどこか期待していた自分がいて、かぱっと携帯を開く。
しかしそこには俺が残念がる顔が反射され、相応の相手からの着信だった。
「も、もしもし……」
「お仕事中申し訳ありません」
前置きをおいて丁寧に話し始めたのは、あの調査会社だった。
紹介されて仕事を依頼したはいいけれど、あれから一向に連絡が入らず忘れていた。
だから、この電話が心底驚いたのだ。
「現時点で判明していることがありますので、ご連絡いたしました」
心の準備もできていないうちに、電話越しに伝えられる用件。
「お客様の携帯番号の、以前の持ち主の氏名がわかりました」
.
俺は散々励ましてもらったというのに、いざというときに、何もできない。
「……なんか、悪いな」
ただただ、無力さだけが残る。
あまり同期を逆なでするのも悪いし、長居する前に席を立った。
ミスはあってはいけないけれど、誰でも起こりうるもの。
そうやって割り切ってはいるものの、どうにも悔しさが残るんだよな。
オフィスをでて、近くの牛丼屋へ向かうことを決め空を見上げた。
寒い冬だというのにやけに青く広がる光景は、とてもちっぽけな存在だといわれてる気がする。
「並、でいいか」
財布事情もあるし、と言い訳をつけて足を踏み出したときだ。
ブルル、とスーツの中で携帯が震える。
その時間帯にどこか期待していた自分がいて、かぱっと携帯を開く。
しかしそこには俺が残念がる顔が反射され、相応の相手からの着信だった。
「も、もしもし……」
「お仕事中申し訳ありません」
前置きをおいて丁寧に話し始めたのは、あの調査会社だった。
紹介されて仕事を依頼したはいいけれど、あれから一向に連絡が入らず忘れていた。
だから、この電話が心底驚いたのだ。
「現時点で判明していることがありますので、ご連絡いたしました」
心の準備もできていないうちに、電話越しに伝えられる用件。
「お客様の携帯番号の、以前の持ち主の氏名がわかりました」
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