奇想
夢を見た。

ここは何故か学校で、私は屋上で少女を引き止めていた。

少女いわく、自分は要らない存在らしい。話しかけても無視をされる、すれ違って肩が触れても知らんぷり。だから消えるのだ、と。

私はただ漠然と彼女に消えて欲しくなかった。

しばらく押し問答を続けたのち、少女は私の手を無理やり振り払って言った。ばいばい、さよなら。

とっさに叫ぼうとして私はあることに気付く。

彼女は誰なのだ。

人が落ちたはずなのに血の痕ひとつない綺麗なグラウンドが見えた。

夢の中なのに妙に冷たい木枯らしが吹き抜けた。
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