永遠の片想い
「絵里奈ー」


昼休み机に顔を伏せ寝ていると、聞き慣れた声が耳に入る。


「今日予定ある?」


マリは、携帯片手に私の前の席に座った。


「ないけど、どうした?」


半分寝ぼけながら、返事をする。


「学校終わったらコータ達と遊ぶんだけど、暇なら絵里奈も来ない?」


その言葉に勢いよく立ち上がると私の椅子が倒れ、ガタンという音が教室内に響き渡った。



佳祐に逢える。



瞬時に頭に浮かんだ期待は、マリの申し訳なさそうな顔で消え去る。


「ごめん…佳祐くんはいないんだけど」


きっと、あからさまに残念そうな顔をしたんだろう。


「ごめんね」


私の反応を見ると、マリは何度も謝ってきた。
< 52 / 402 >

この作品をシェア

pagetop