この想いを君に… −あの場所へ−
「光は元気にしてた?」

睦海はその言葉に大きく頷いた。

「R1の後ろに乗せてもらった。
マイルドな乗り心地になってたよ」

それを聞いて俺は思わず苦笑いをする。

確かにあんなチューニングじゃあ…普通に走るの、辛いか。

「パパ」

睦海は真剣に俺を見つめる。

「光さんには言わないの?」

…きたな。

「光には言ったの?」

こう返すと睦海は慌てて首を横に振る。

…言ったな。

「言ってなかったらいいよ」

わかっているけど、知らないふりをするのも時には大切、か。

「睦海」

俺は微笑んで

「光には俺から言うから、安心して」

睦海は嬉しそうに微笑んだ。
< 118 / 417 >

この作品をシェア

pagetop