この想いを君に… −あの場所へ−
「睦海、仕方ないよ」

そう言っても睦海は首を横に振って泣きじゃくる。

そこへ祥太郎と光がやって来て

「やるだけの事はしただろ?
精一杯やっての転倒なら…自分の中で納得出来るだろ?」

祥太郎が言っても首を振る睦海。

「…むっちゃん」

光が睦海の体を抱き起こした。

「ほら、後ろ、見てみ」

パドックの通路には。

観客の人達が睦海を心配して来てくれていた。

少し人だかりが出来ている。

「みんな、むっちゃんや知樹や智道のバトル見て大興奮やってんで。
このクラス、興味ない人もこのサーキットにいた人みんなを夢中にさせた」

光の言葉に俺は頷いた。
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