この想いを君に… −あの場所へ−

− 真由 −

「そーちゃん」

相当、呼吸するのが辛いみたい。

そーちゃんの冷たい足を洗いながら私は声を掛ける。

そーちゃんは返事をする事はなく、私を見つめるだけ。

「もうすぐ終わるからね」

足湯で少しでも体温が上がるといいんだけど。

明け方、学くんは

「今日が山場かもしれん」

と、少しだけ眠ったそーちゃんを見つめながら言ってた。



学くんがレース後、すぐに大阪に帰らなかったのはそーちゃんの状態が極めて危険だったから。

本来は月曜から仕事だったのに無理矢理引っ張っていた。

今日は水曜日。

お店も定休日。

光くんは今、うとうとしている。

昨日は結局寝ていない。

朝には祥太郎くんもやって来てそーちゃんの様子を見ていた。
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