この想いを君に… −あの場所へ−
家に帰ると真由ちゃんと学の声が聞こえた。

「見てくれる?」

真由ちゃんが差し出したのは総一さんの介護保険証。

「今頃来ても遅いよね」

今日、郵便が来たらしい。

介護施設のヘルパーさん達のお陰でこれがなくても色々して貰えたとはいえ。

お昼は真由ちゃん一人でそーちゃんを看る事が多かったから…

「ほんっと、遅いよね」

真由ちゃんは保険証を見ながら震えた。

「そーちゃんはもう、いないんだから」



総一さんがいなくなって初めて目にした真由ちゃんの涙だった。
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