草食系王子に蜜な口づけを


「真剣に答えや」



俺は可愛い天使スマイルから一気に真剣な顔つきになる。



そしてふっと笑った。



『好きだけど?文句ある?』



かりなは俺の答えに不適な笑みを浮かべた。



俺の横をスッと通りかりなは歩き出した。



俺も歩き出す。



冬真っ盛りの空を見上げながら、真っ白い息を吐いた。



冬が終わればあったかい春がやってくる。



俺たちもその頃には・・・・。



なんて淡い夢を見る。



でもこの俺の願いが叶うなんて知るはずもない。


だから手に息を吹きかけてるアイツの手を握ってやるぐらいしかできない。



でもその手を優しく包んであげるのも幸せなんじゃないかって、不覚にも思ってしまった。


END
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