運命の歯車-不思議の国のアイツ-

第9節:反乱






深夜のコンビニ。



暗い街の中にあって、明るい光を発している。



お客は、深夜ということもあり、雑誌の立ち読みをしている男性が、一人だけ立っていた。



そして、そのコンビニの横には、一区画程度の公園があった。



公園といっても、大人の都合で作られたもので、3本の木とベンチが2つ、そして何故か滑り台が1つおいてあった。



街中にあることもあり、昼間は、ビルの中でタバコが吸えない会社員達の喫煙場所になるような公園である。



それゆえに、公園を作ろうとして作った公園ではなく、たまたま街の中で余った一区画を公園にしましたというのが、見た目でよく分かる公園だった。



そんな小さな公園の外灯の下にいつもの深夜とは、違う光景があった。



まるで夜の明かりに集う無数の虫達のように、多くの若者が集まっていた。



その若者の中心には、コウがいた。



コウは、まわりに立っている制服姿の若者達とは違い、ただ1人、公園に2つしかないベンチに座っていた。



「コウ、コーヒーでいいか?」



そんなコウの元にジュンが、コンビニのビニール袋を抱えて歩いてきた。



「ああ、悪いな。」



ジュンは、コンビニのビニール袋からコーヒーを2本取り出し、1本をコウへと渡す。



そして、ジュンは、そのまま、コウの隣へと座った。



ゴクゴクゴク・・・・。



コウは、渡されたコーヒーを一気に飲み干した。



よく考えれば、コウは、朝、家を出てから、何も口に入れていなかった。



興奮していて気付かなかったが、一口コーヒーを口に入れると、コウは、自分がいかに喉が渇いていたかを自覚した。



「・・・・あぁ!うまいな・・・・けど、しみるな。」



コウは、酷く殴られていたので、口の中を切っており、そこにコーヒーがしみたのだ。

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