運命の歯車-不思議の国のアイツ-


「そんなに変なこと言ったか、俺?」



コウは、周りの人間の反応にやや驚きながら、説明を続けた。



「確かに俺は、紅蓮を潰したいけど、それは、今の外道なことをする紅蓮であって、もし、紅蓮が、まともな族なら、別にあっても問題ないだろ?・・・それに、レイジの言葉を聞いていると、紅蓮という名前を簡単に潰すっていう権利は、俺にないかなと思ってさ。いろんな奴の想いがこもっている紅蓮。潰したい俺がいれば、守りたいレイジもいる。・・・だから、黒か白かの決着でなくて、灰色の決着でもいいんじゃないかと思ってさ。」



「・・・意外と大人だったんだな、コウって。」



驚いたような表情でコウを見るジュン。



「・・・まぁ・・・俺の仲間には、説明が必要かもしれないけど・・・。」



コウは、マイやマサヤの顔を思い浮かべて、やや気が重くなる。



しかし、それ以外に今のコウには、解決法が見あたらなかった。



「・・・俺が・・・紅蓮の総長?」



コウの言葉に一番驚いているのは、レイジだった。



「ああ、まぁ、嫌なら、別の奴でもいいけど。・・・ただ、紅蓮を元の紅蓮に戻したいんだろ?」



「・・・ああ。」



コウの言葉に強い決意を秘めた表情で肯くレイジ。



「だったら、戦わないと・・・戦わなきゃ、自分の好きなものは、取り返せないぞ。」



「・・・でも・・・総長と幹部は、かなり喧嘩強いから、負けたら・・・。」



レイジの表情が、曇る。



決意はしたが、不安でいっぱいなのだろう。



そんなレイジの気持ちを察して、コウが、レイジの肩を軽く叩いた。

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