swallotail-アゲハ-【完】

「鈴原さん。起きました?どこか痛い所ありませんか?」

「・・・いえ。」

「お話がありますが聞けますか?」

・・・。

話?

「大丈夫です」

私は春人に助けを求める様に見つめた。

春人も気付いてくれて私の隣に来て手を握ってくれた。


「鈴原さん・・・今回は残念ですが。流産です」

リュウザン?

リュウザン・・・



「は??」

「鈴原さんの子宮は綺麗にいときましたので。もう少ししたら動いても大丈夫ですよ」


え??

どういう事?

その後も先生は何かを言ってたけど・・・


真っ白で頭に入らなかった。



リュウザンって何?


私のお腹に赤ちゃんが居たって事?



!!!!!!!!!!


私は意味を理解し右手を口に当て声を殺した。


瞳からは無意識に涙が溢れる。


大事なモノ・・・

自らの手で失った・・・



どうして・・・春人の言う事聞かなかったんだろ。



どうして・・・自覚がなかったんだろ。



どうして・・・失ったんだろ。



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