swallotail-アゲハ-【完】
私の原チャはあの日「般若」に乗り込んだ時にそのままにしてあるのでもう家にはない。
多分奴等にめちゃくちゃにされてる・・・。
歩いていつもの公園まで行く。
春人と初めて会った場所。
同じように桜が綺麗に咲いてた。
あの頃は・・・まさか春人に恋するなんて思ってもみなかったっけ。
私のが先に来たようで誰も公園には居ない。
ブランコの柵に腰掛けながら煙草に火を点け、春人を待つ。
そういえば・・・この場所で春人の「好き」って言葉聞いたな。
なんだか懐かしい気持ちになった・・・。
煙草を吸い終えると同じくらいにバイクの音がした。
「来たか?」
そう思い煙草を地面に投げつけ踏み潰し消す。
「わりーな。待ったか?」
春人はバイクから降りながら私に言った。
「イヤ。大丈夫。ごめんね・・・呼び出して」
「ん。大丈夫だよ。吹雪・・・おいで」
春人は両手を出して私を呼んだ。
これで・・・最後。
そう思い私は春人に抱きつく。
「ずっとこうしたかったよ」
そう言った春人の腕に力が入った。