夜空に太陽
 つまりはそういうことだ。真也は地理の授業を聞きながら、白石が発案した今回の作戦を反芻していた。発案の動機は実に明確で、目的はただ一つ、過程も実にスムースな内容だ。自分が担うことは、白石に自身のコントローラーを渡し、作戦中は白石の駒となること。その中に真也の感情や思考の置き場はない。無関心のまま淡々とこなすだけで、支障はない。つまりはそういうことなのだ。
 勿論、利点はある。真也は白石に一定期間従うことによって、白石から見返りを得られるのだ。損得が存在しないように、均等な見返りが。
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