明日は
「はい」

 と、子吉沢は答えた。

『子吉沢さんのお宅ですよね』

「はい」

 警察からの電話は間違いではない。子吉沢は嫌な予感がするので、受話器を置いて、電話を切りたかった。次の言葉が聞きたくないのだ。

『えーと、お母さんはいますか?』

「いません」

 父親に何かあったのか?

『お母さんに連絡取れますか?』

「もう、すぐ帰ってくると思うんですけど……」

 子吉沢は困っていた。警察から話を聞きたいが、悪い内容なはずだ。精神的なショックを受けることになるので、今は堪えることは避けたいのだ。

『それじゃあ、どうしようかな』

 警察も困っている。

「ただいま」

 と、母親が帰ってきた。
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