明日は
 墨丘は素直に従った。サンドイッチをガツガツ口に運ぶのではなく、小さく食べるので、男と言うより女っぽいと、子吉沢は感心した。


「さあ、勉強しようか?」

「ええっ」

 子吉沢ははっきり言って落ちこぼれなので、勉強と言う単語で反射的に嫌悪するのだ。

「何からやる?」

「やるの?」

「じゃあ、数学からやろうか」

「数学ね……」

 子吉沢に得意科目など存在しない。

「いきなりだけど聞いていい?」

「うん」

「足し算できる?」

「当ったり前だよ!」

「じゃあ、引き算は?」

「何だそれ」

「かけ算は?」

「もちろんできるよ!」
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