キミの手 キミの体温

恨みがましさが無くなった代わりに、その表情は問い詰めるような強い眼差しになり、



「まぁ……うん」



図星を差されて気まずくなった俺が今度は先に目を逸らした。



“傍に居るって決めたのは自分。だったら見返りなんか求めるな”



こいつの言う通り。

これは紛れも無い俺から俺への言葉。


千愛と別れた後の自分にひたすら言い聞かせてた。



“好きになってもらえないのを他人のせいにするな”



これは……千愛を狡いって罵ったこいつのストレートさが苛立って、つい出たセリフだ。


誰だってそうだ。


好きな人に応えて貰えないのは悔しくて寂しい。


いっそ誰かのせいにだってしたくなる。