キミの手 キミの体温
身体のキョリ 心のキョリ

「どうかした? 千愛」


リビングのソファーにうなだれたわたしを、宝珠の不思議そうな顔が覗き込んだ。


「……一緒に作るって言ったのに」


学校で約束した通り。
今日は宝珠の家で一緒にお夕飯を作ったんだけど……。


わたしがした仕事は野菜の皮剥き。
まるで小学生のお手伝い。
むしろそれにも及ばない。


切ったり焼いたり味を付けたり……。
料理って呼べることは全部手際の良い宝珠の手で為されてしまった。


それが女の子としてのプライドを傷付けたというか……惨めになったというか。


つまりは拗ねてるってワケなのだ。


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