キミの手 キミの体温

「……何かあったか?」


「…………」


「おーい白奈? 大丈夫か?」



声を掛ける度に自分でもわかるくらいトーンが優しくなってんのがわかる。


我ながらキモいな、今の俺。



でも、心配だって気持ちはちゃんとあるからこうして電話してんだし……。



なんてゴチャゴチャ考えてるうちに、



「……ぷっ」


「……はっ?」


「あはははっ。おーい白奈だって。周助笑える」



辛抱堪らなくなったのか。

今までの沈黙が嘘みたいなバカ笑いが耳に飛び込んできて脱力した。



……なんだこれ。


心配して損したってまさに今この状況のことだな。


馬鹿らしいったらねぇな。


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