キミの手 キミの体温
脆くて儚いモノ

「二人とも来なかったわね……結局」



放課後。
朝に別れた宝珠はいくら待っても学校には現れなかった。


心配になって休み時間になる度に宝珠に電話をしようとしたけど……。


宝珠だけじゃなくて周助も来ないから、きっと白奈ちゃんの話し合いが長引いてるんだ。



邪魔しちゃいけないし……。



そう思ったら、通話ボタンに伸ばした指を押すのが躊躇われた。



だから、こうしてただ悶々と宝珠を待つことしか出来ないでいる。



それでも堪え切れなくてメールを一通送ってしまったんだけど……。



返事は返って来ないままだった。



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