キミの手 キミの体温


俺が付き合って欲しいって伝えた時の千愛の顔。



今でも鮮明に思い出すくらい、真っ赤になって動揺してた。


……まぁ、そこも可愛いって思ったんだけど。



「でも……」


「試しで良い。合わねぇって思ったら別れるって言って」



食い下がる俺に瞳を揺らした千愛が小さく頷いた瞬間、



腹の底から湧き上がる嬉しいって感情に、思わず千愛を抱き締めてしまった感触。



小さくて柔らかい体と、甘い髪の匂い。

何より、緊張して微かに震えてるのが愛おしかった。



だから、柄にも無く思ったんだよ。



この娘の笑顔は、絶対俺が守ってやるって……。

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