淡い満月
 
 
翌朝、私は早くから荷物をまとめることにした。


他にやることもないし、何よりじっとしていると余計なことを考えてしまいそうだったから。






「はい、お疲れ様でした♪」


最後の点滴を外してもらって、やっと自由になった腕を動かしていたら





「おはよ。」


隣のカーテンが開いて、片桐さんが目をこすっていた。



「おはようございます。」


「…今日は何時に出て行くの?」



「10時ぐらい、かなぁ…。」

「そっか。じゃあ、朝食済んだら少し散歩しない?」



……え?



「院内、一緒に歩こうよ。」
 
 
 
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