淡い満月
 
 
「ココアしかないけど、飲む?」

「はい。」


冷え切った身体でストーブに当たる私は、台所からの声に答える。



「熱いから気をつけて。」

「ありがとうございます。」


彼は2人分のコップを持って、私の隣にしゃがんだ。


2人で並んでストーブに当たるのは、何だかくすぐったい。

時々顔を見合わせては、くすくす笑い合った。








やっぱり、病院のときとは違った雰囲気がする。

ただ優しいだけじゃなくて、本当に男の人なんだって感じ。



話さなきゃ。

これ以上、彼を好きになる前に。


 
 
 
< 50 / 63 >

この作品をシェア

pagetop