【ラブコメ】委員長の憂鬱
お守り係
私が落ちた高校から、車でなら約十五分。
星燐学園の校舎は私立らしく大きい。
なんだかんだ言って金持ち校だからな…。
もったいない。
もっと評判さえよければいいのに…って上げるために来たのか。
「あ、いたいた夏月ー!!」
ナツキ?
男?女?って女はいないか。
紛らわしい名前付けやがって。
玄関に立つ男。
なんというか…こういうのを王子って言うのじゃないだろうか。
つまり、とてつもなく整った顔立ち。
サラサラの髪とか、私のくせ毛とぜひとも換えて欲しい。
こんな男いたら、1000人中999人は落ちるだろう。
私もちょっとふらついた。
だけど私、男に外見だけで惚れるほど子供じゃない。
今までそんなことがあったわけじゃないけど。
男は外見より中身に決まってる。
うちの母さんだって、父さんみたいな晩年係長みたいな人と結婚しなければもっと裕福に暮らせたはず。
大して父さんの外見がいいわけじゃないけど、母さんの好みにはジャストフィットだったらしい。
おかげでうちはジリ貧だ。