【ラブコメ】委員長の憂鬱


菅原夏月。

それが俺の名前。

母親はこの学園の理事長の他に、いくつも会社を経営するバツイチ。

俺の父親、つまり元旦那のことを言うと怒る。


友達もいるし、一応彼女もいる。

それなりに日々は充実している。

でも、何かが物足りない。


なんとなく空虚な日々。

足りないのはわかってて、それが何かはわからない。


その何かを埋めるために、俺は暴れまわる。

今の学校の評判は、自慢じゃないがほとんど俺が中等部時代に作ったものだ。


世間的に言わせりゃ“問題児”。

理事長の息子じゃなけりゃ、とっくに退学だ。

父親がいないことに負い目を感じてか、母親は俺に甘い。

余計な世話だ。

父親なんかいらない。

父親なんかじゃ俺の隙間は埋まらない。

そんなに単純じゃない。


< 9 / 53 >

この作品をシェア

pagetop