とんでも腐敵☆パートナー
「どこが宝物だ! そんな思い出はリセットボタンで抹消しとけ!」
 
 ちょっ。人の回想に割り込まないでよ朽木さん!
 
「全部口から漏れてんだお前はっ!」
 
 あれ? そうでした? てへっ。
 
 まぁ、ともかく、そんなステキな夏休みの中でも特に印象深かったのは、やっぱり八月の頭にみんなと行った海での出来事だ。
 
 あれは、忘れようにも忘れられない程にトラブルの連続だった。
 
 高地さんが真昼と祥子に熱烈アタックかけて見事玉砕するわ。
 
 祥子が熱中症で倒れててんやわんやになるわ。
 
 そしてなんといっても、朽木さんのバイオレンスシーン!
 
 チンピラキャラの模範みたいなのに絡まれて、最終的に一戦交えることになったのだ。
 
 結局、駆けつけた警察によりお縄となったチンピラ連中、なんとなく予想はしてたけど、車から盗品がざっくざっく発掘されて、ここ最近多発してた車上荒らしの犯人と断定された。
 
 朽木さんにこてんぱんにされた上に手がアロンアルファまみれになった雑魚チンピラ達は、なんとも惨めそうな泣きっ面で連行されていって。
 
 ざまぁみろ! って感じで鼻を鳴らしたのも束の間。
 
 今度はあたし達が事情聴取とやらで警察署に連行されるはめになってしまった。
 
 で、結局、その日はもう海水浴もへったくれもなくなって解散。
 
 祥子と真昼は拝島さんと高地さんが家まで送ってくれたらしい。
 
 あたしは朽木さんと二人、応接室とやらで厳つい顔した警察官に「ちょっとやりすぎじゃないかね?」なんてお小言をくらったりして、結局家に帰り着いたのは真夜中過ぎだった。
 
 とんだドライブになったものだ。
< 130 / 285 >

この作品をシェア

pagetop