とんでも腐敵☆パートナー
『SHO-RINバレー』とは、今話題のというか問題のというか色々と波紋を呼んでる作品で。
 
 なんというか、とにかくバカバカしいの一言に尽きる抱腹絶倒コメディ映画。
 
 観た人の意見は「滅茶苦茶面白い」か「なんだこのふざけた映画は。金返せ!」のふたつに分かれるらしい。
 
 で、こんなイロモノ映画に何故祥子が食いつくのかというと――
 
 
 実は祥子。大のお笑い好きなのだ。
 
 
 本人は隠してるつもりなのだけど、あたしは知っている。密かに「エン○の神様」とか「○金」とかチェックしてることを。
 
 だって、妙に若手芸人に詳しいんだもん。
 
 更に面白い話を聞くと、その場ではくすりともしないんだけど、人気が絶えた後にこっそり肩を震わせてるのも知っている。
 
 その他にも色々とお笑い好き疑惑を深めるネタはあがってて、あたしはもう完全に「実はお笑い好き」と見抜いていた。
 
 甘いな祥子。あたしの千里眼から隠し通せると思うなよ!
 
 あたしは脳内で釣りゲームばりに「HIT!」の画面を展開し、「そぉ~れ」とリールを巻き巻きにかかる。
 
「あんまり祥子には興味のない映画だとは思うけどさ。たまにはああいうの観るのも面白いかもよ。それにどうせ高地さんのオゴリだし、ついでにいっぱいタカっちゃおうよ!」
 
「そ、そうね……。まぁたまにはいいかもね……」
 
「そうそう、高地さんの財布を空にする勢いで!」
 
 その気のない振りをする祥子をめいっぱい煽り立てる。よっしゃー! あとちょっと!
 
 
「そこまで言うんなら、行ったげてもいいけど」
 
 
 さるげっちゅ~~~っ!!
 
 
 いきなりゲーム変わってんぞヲイってツッコミはなしな方向で!
 
「うんうん! じゃあ、今週日曜日、朝の9時に待ち合わせだから!」
 
 げっちゅの喜びに興奮気味でスケジュールの説明をする。
 
 と、真昼が「あら」と何かに気付いたように声をあげた。
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