とんでも腐敵☆パートナー
「しつこいわね。もう帰るって言ってんでしょ」
 
「もうちょっとだけ! ネ! ショッピングとかどう? どこにでも付き合うよ~」
 
「買い物は一人でする主義だから。ついてこないで! 警察呼ぶわよ!」
 
「そんなぁ~~祥子ちゃぁ~~ん」
 
 
 二人はそんな涙なしでは語れない会話をしながら足早にデパートの外に出て行った。
 
「とりつく島もないなぁ祥子ちゃん。高地には難しい相手だね」
 
 拝島さんが苦笑ぎみに言った。
 
「お兄ちゃんも二人の仲がどうなるか気になります?」
 
「うん、一応友達だからね。応援してあげたいよ」
 
 あれ? 拝島さんは、祥子のことが気になってたわけじゃないのか。
 
 拝島さんと祥子なら二人とも美形だし納得! って感じなんだけどな。
 
 でもそしたら朽木さんと拝島さんのラブラブが見れなくなるから、まぁそっちの方がいいけど。
 
 
「祥子ちゃん、待ってぇ~~」
 
 まだスタスタと先を行く祥子に追いすがる高地さん。
 
 あ。祥子の腕を掴んだ。
 
「セクハラ1!」
 
 どかっ!
 
 凄い! キレイに後ろ蹴りが決まりました!
 
「い、いてててて……」
 
 さすがに応えたのか、お腹を押さえてしゃがみ込む高地さん。
 
 うずくまったまま、なかなか起き上がらない。
 
 う~んう~んと唸ってるので、さすがにやりすぎたと思ったっぽい顔の祥子が近寄って声をかける。
 
「大袈裟ね。そんなに痛かったの?」
 
 高地さんは答えない。
 
 祥子は眉尻を下げて一瞬泣きそうな顔になった。祥子の「しまった」と思ってる顔。あたしは知っている。
 
 誰かを傷つけたと分かった時、自分も傷ついてる。そんな祥子を知っている。
 
 さらに近寄ってしゃがみ込み、高地さんの顔を覗きこむ祥子。その時、
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