とんでも腐敵☆パートナー
「あれ? 拝島さんは?」
 
「俺も今日はバイトだから……。でも栗子ちゃんが行けば、朽木もきっと元気になるよ」
 
 いやいや、それはない。
 
 むしろ熱が上がってぶっ倒れちゃうかも。
 
 しかし拝島さん、発言が微妙に誤解を含んでるんだよなぁ~。朽木さんがあたしに好意を持ってるみたいに聞こえる。
 
 拝島さん一人がお見舞いに行った方が断然喜ぶに決まってるのに。
 
「バイトの帰りにちょっと寄ってみますよ。拝島さんも明日にでもお見舞いに行ったげた方がいいですよ。友達なのに見舞いにも来なかったーとか、ねちねち言われるかもしれないですよ、後で」
 
 さりげなく根回しをしてあげるキューピッドなあたし。感謝してちょーだいよ朽木さん。
 
「あはは、それはないと思うけど、時間があいたら行ってみるよ」
 
 風邪イベントかぁ~。
 
 熱に浮かされて告白する朽木さん。欲望を抑えきれず拝島さんをベッドに押し倒す。最初は戸惑いながらも朽木さんの情熱に押される拝島さんは最後には全てを受け入れてしまう……そんなシチュエーションはどうよ? どうよ?
 
 うひゃぁ~~~~。よ、良すぎるっ。
 
「じゃあ照り焼きセットひとつ頼むよ」
 
「あ、はいはい」
 
 無邪気な拝島さんの声で白昼夢から連れ戻された。でもなかなかステキな妄想だったから、ネタ帳に入れておこう。
 
< 244 / 285 >

この作品をシェア

pagetop