苦しいほど君がスキ。
『お前…高校になってもこれかよ…』


あたしに、いつも厭味を言うのは、双子の兄の理央。


でも、憎まれ口をいいながらも、あたしからクシとゴムを奪い取った。



『莉菜は、本当に俺無しじゃ〜駄目だね』



あたしを可愛がってくれるのが双子の弟の玲央。


ニコッと笑いながらあたしの首のネクタイを結び直してくれる。



あたしにとって二人は大切な幼なじみ。



『早くしてよっ!入学式から遅刻なんて嫌だからねっ!』



『お前が言うな!』

『莉菜は、我が儘だよなぁ〜』





高校生になっても変わらないやり取り。





『莉菜っ!アンタって子は!!二人に頼ってたらお嫁に行けないわよ』




お母さんの怒りが今日もあたしに落ちた。





『莉菜は、俺が貰うから心配ないよっ!おばさんっ!』




そういいながら玲央は、あたしを抱きしめた。

小さい頃は、身長差がほとんど無かったけど、今は20センチほどある。



『玲央、苦しいから…』



―――ゴツッ!



『イテッ!』


理央は、玲央の頭をグゥーで叩いた。




『早く、行くぞ…』




理央は、口は冷たいけど中身は優しいんだ。




『理央、待って!』


お母さんにクシを渡し走り出すあたし。

そんなあたしの後ろから玲央が追いかけてくる




高校生になっても三人で歩く。




こんな関係があたしは、スキだった
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