リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『純愛』・1
『純愛』・1
わたしにとって、日曜の午後は特別な日。

通っているピアノ教室に行く日だからだ。

先に練習室に通されたので、軽く指を動かす為に、少しピアノを弾く。

ここには6歳の頃から通い始めて、もう10年目になる。

教えてくれる先生も、変わった。

3年前から、前に教えてくれた先生の息子さんになった。

…その時から、わたしの演奏は変わってしまった。

物凄く、ダメな方向に…(涙)。

「こんにちは」

突然、扉が開き、息子さん…ではなく、先生が入ってきた。

「はっはい! こんにちは、先生」

背筋を伸ばし、立ち上がった。

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