君と私の1年間


「これからよろしく、早坂 雅(ハヤサカ ミヤビ)さん?
僕は君の担当医兼この病院の理事長、一ノ宮 逞(イチノミヤ タクマ)だ。

だが、私は少々忙しい身でね・・・そのかわり、と言ってはなんだが
もう一人先生をつけるよ」

君の病室にいるはずだから病室に行こうか、と言って笑った。



堅苦しい言葉遣いだが、そこからはどこか落ち着くような空気が流れる。
逞先生は少々否顔立ちが幼い、そのためまだ20代あたりに見える。


無邪気な笑顔・・・そこから感じた純粋さ・・・。
私には眩しすぎて




吐き気がした。





なんとか体調を持ち直した後、お得意の造り笑いで
よろしくお願いします、と返すと逞先生は困った顔をしていた。




< 3 / 4 >

この作品をシェア

pagetop