見てるだけ
欠片
数年後。
夫は街を歩いていた。その先に誰かがいた。どうやらショーウィンドウにあるバッグを見ているようだ。
「おい、それ欲しいのか?」
夫は聞いた。
「ううん、見てるだけ。」
答えたのはあの女だった。白いワンピースを着ていた。
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