【愛祐実×詩音】スキをちょうだい~虹那編~
甘さからは程遠い?


……とはいうものの。


現実はーー……




「そっか、なるほどね!やっぱ虹那(ニナ)に相談してよかったよ」

「そ?また何かあったらいつでも言って」


いつものようにクラスメートに恋の相談をされて。

一般論じゃなく、自分の恋愛の価値観でアドバイスを返す。


毎日変わらないやりとり。

なぜかあたしはクラスの恋愛相談役という立場になっていて、こうして毎日のように恋に悩む男女が、あたしに助言を求めにやって来る。


でも、あたしはこれまで誰とも付き合ったことはない恋愛初心者。

もちろん皆も、それを承知の上。

前にクラスの女子何人かに恋のアドバイスをしてその恋が実ったことで、急に相談しにくる人が増えた。

今では、1週間先まで予約が埋まっているくらい繁盛している。


今日の相談者は、可愛い後輩に恋しちゃった健一。

名前の通り健康だけが取り柄で、いつも皆にからかわれているクラス一のお調子者。


「なー…そういやぁ何で虹那って男作んねーの?あんなに告られてんのにさ。理想高けーの?」

モテモテでうらやましいぜ、チクショー!と言いながら、あたしに答えを求める健一。


確かに、何故かあたしはモテていて、毎日必ず誰かに告られている。


あたしのどこがいいのか、自分ではサッパリ分からないのだけどーー…



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