【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~


なのにそれが出来ないあたしはやっぱり意気地なしなのかな?



「じゃあな」


ガタンと席を立って


あたしの目を見るわけでもなく


相変わらずの素っ気ない態度で


教室を去って行ってしまった颯太くんに


「待って!!」


つい出てしまった言葉がコレ。


「何?」


なのにやっぱり返って来たのはいつもと同じ


“何”


そんな態度されたら


「う、ううん、何でもないの。ばいばい」


これしか言えない。


「あぁ」


分かってるよ

颯太くんは楓くんみたいな男の子じゃないもん。


クールでクラスの子とはしゃいだりするような人じゃないもん。


分かってる、分かってるけど。



「分かんないよ」


確かめたいって言った。

頑張るっても言った。

でも

でもね。


もしデートの日にまであんな態度されちゃったら


あたしきっと・・



「颯太くん」





< 13 / 31 >

この作品をシェア

pagetop