甘いクスリ

キリキズ

 


正直、動揺した。



めっちゃくちゃ
動揺してる。



都築は、俺を
どう思っただろう?


まさか、あのタイミングで
マリに出会うとは
思ってもいなかった。


都築の居住区である以外
土地勘も何もあったもんでない
この場所で


本気で、結婚を考えた事もある
相手に再会するとは
思わなかった。


今日、マリに、言ったことは
全部、本当だ。


アイツと別れて以来
恋人と認めるような
オンナはいなかった。


怖かったんだ。

また、誰かをキズつけそうで。

情けないオトコに
成り下がった自分を
直視できなかった。

だから、ご都合よく
プラプラしてた。

最初は、姉貴対策だったけど
本当に、都築に
気持ちが傾いていたのも
正直なところで。



まさに

そういうところを


真月がいうみたく
開けっ広げていうなんて
論外だけど

ちょっとだけ
知ってほしいなんて

知らそうなんて



思ったところだったから。



本当にうろたえた。


 
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