お父さんのいる空
転びそうになった。なぜなら、地面に足がついていない。ふわふわとベッドの上に立っているようだ。
「うわ、なんだ。これ!」
少年は驚いた。
「浮いてる・・・。」
ここから先は体が反応した。何か本能のようなものがそうさせた。
「えいっ。」
かけ声と共に少年は舞った。空を駆けた。
「ぼ、僕、飛んでる。」
目の中にいた涙は、風で乾いた。それくらいに早い。横を見ると雀が飛んでいた。
「よし、競争だ。」
雀との追いかけっこだ。
右に、左に、上に、下に、自由に舞った。空は少年のものだった。
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