†神様の恋人†

初めての客

『……ミシェル……』

…誰?……わたしを呼ぶ声がする。

『…ラファエル……!いかない……で……』

……ラファエ…ル…?…これは、わたしの……声。

「…いやぁあ――――!!」

「…お目覚めかね?」

「!?」

息苦しさと、妙に陰鬱な夢でわたしは目覚めた。

……ここは……?

頭が重い。

何時間か気を失っていたようだ。

そこは、見たこともない部屋だった。

エリザがいた部屋より狭くて、ドアも一つしかない。

ただ一つの家具であるわたしが寝ているベッドの傍には、シセが立っていた。

「ずいぶんと嫌な夢をみていたようだが、これから見る夢のほうが格別だろうね?」

ニヤリ、と狡猾な笑みを浮かべるシセ。

「…わたしを娼婦にするつもり?そんな簡単にはならないわよ」

牽制するつもりで大きな口をたたいた。

わたしには、それ以外に武器は、ない。

「それは君の意志に任せよう」

「…え?」

意外な答えが返ってきて面喰った。

「ところで私は人の弱みを握るのが趣味でね。君にはたしか姉がいるはずだが、彼女も実に素晴らしい素材だ。なんでも“神の声”を聞いた少女だとか。いや、姉妹そろって素晴らしいね」

……なんて……やつ……。

ギリと歯を食いしばる。

こいつ……こんな短時間で、わたしのこと調べたんだ。

「…何が言いたいの?」

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