無口な王子様
「凜ー!!」

朝一番、教室に入ると、亜弥と恭子がざわつく教室の中で一際大きな声で私を呼んだ。

「おはよー!」

私が背伸びをして手を振ると

「ちょっと!!!早く!!!」

恭子が、妙に興奮した様子で私を手招きした。

「何?」

荷物も置かずに、周りの生徒や机を避けながら二人の側に行くと、亜弥が机に雑誌を広げて指差した。

「ちょっと!!これ!!」
「何よ?」

その指先を見ると、私の目に信じられないものが飛び込んできた。

「朝ね、コンビニで立ち読みしてたら……」

亜弥はそう言って、私を見上げた。


きっと、私はものすごく面白い顔をしてただろう。


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