無口な王子様
温もり

沢山泣いて、話を聞いてもらうと私の心は少し軽くなっていた。

周りに助けられて生きてるって感じる事も出来た。


それに、今は落ち込んではいられない。

私にはやらなきゃいけない事がある。

もう2日間もサボってしまったから、一秒でも無駄にしたくない。

学校にいる間、私は亜由美が来れない休み時間をひたすら手縫いの作業にあてることにした。

手仕事をしていると寂しさも紛れる。

時々、亜弥と恭子の姿を見るだけで胸が苦しくなるけど、そんな時は手元に集中すれば気分は良くなった。


「凛??」


集中していた私は、誰かに呼ばれて驚いた。

顔を上げると、普段はあまり話さない優奈が立っていた。

「何作ってるの??」
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