ペアリングに愛をこめて
急いでカーテンを開く。
道路には仕事帰りの人がたくさん歩いている。
「…ハル?」
小さく名前を呟く。
ハルが人ごみの中でアタシに微笑んでいた。
いつもの優しい笑顔で。
けれどすぐに人ごみに消されてしまった。
さっきまでいたはずのハルは、もういなかった。
わかってるよ。ハルはいない。
アタシが今見たハルは
幸せな夢か幻。
今もそこに…なんて、人ごみに貴方の姿探して。
いるはず、ないのにね?
ハルのこと思い出になんてしないよ。
ハルとなら永遠を感じたから。