Libra ~揺れる乙女心~



もう一度、息を吐き、空を見上げた。


一瞬だけ姿を隠した太陽。



今だ。





思い切り腕を振り、気持ちを込めて、指先からボールが離れた。




スローモーションのように、そのボールがキャッチャーミットに向かって進んでゆく。




太陽がもう顔を出した。



2塁と3塁の間に、日陰と日向の境目ができていた。






カキーーーーン!!!






金属バットの音は、気持ちがいいくらいに爽快だ。







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